優秀なコーチ陣とともに練り上げた戦術とそれをしっかり体現できる素晴らしい選手たちの見事な戦いぶりによって、優勝候補の國學院久我山との試合はほぼ五分の展開で進みました。中継を見ていた誰もが感じたと思いますが、どちらが勝ってもおかしくなかった試合だったと自負しています。
さて、2回戦・國學院久我山との対戦する当日の朝、「PK戦になるのでは」という予想が小原監督の頭をよぎったとき、まるで神の啓示のように1人の選手の名前が舞い降りてきたそうです。そして、PK戦になりそうな雰囲気が漂った場面で、普段からPKを得意としていたその選手の起用を決意し、自信を持ってピッチに送り出しました。
しかし、PKは非情でした。思い切って送り出したその選手のシュートは相手GKに阻まれてしまったのです。敗北の後、PKを失敗してしまった彼が監督に向かって、泣きじゃくりながら「すみませんでした」とひたすら謝りました。
ロッカールームに戻ってきた小原監督は、「いきなり大事な場面で使った自分が悪い。負けた原因は自分にある。みんなは本当によくやってくれた。全国の舞台に連れてきてくれてありがとう」と謝罪と感謝の気持ちを述べました。その言葉に、誰もが涙し、その涙は止まりませんでした。
3年生同士が健闘をたたえ合いながら涙し、今度は1・2年生に想いを託しながら涙し、敗者の光景ではありましたが、とても美しいものでした。
本気に全国で勝ち上がろうと練習を積み重ねてきたからこそ、たとえどんな強敵であっても、「良い試合だった」という次元には到底満足できず、悔し涙を流した選手たち。勝たせたかったと心底思わずにはいられません。
結果が出てしまった選手たちは、最後のミーティングを終え、ホテルを後にし、岩手に戻りました。たくさんの感動をありがとう!
~首都圏開催になってからの岩手県の戦績~
遠野 19勝19敗
盛商 19勝14敗
大船渡 1勝3敗
盛岡市立 3敗
不来方 1敗
盛岡中央 1敗
専修大学北上高校 1勝1敗
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